Craftsman ship of japanとは?

 日本には伝統、歴史的に優れた技術やデザインの製品が数多く存在します。しかし、近年は大量消費、使い捨ての生活習慣が消費の中心になりつつあり、少なからず日本が後世に伝えるべき技術や品質が衰退してきているのも事実です。

 R&Dでは「日本に伝わる優れた技術やこだわりの製法」「職人気質・丹精込めて作られたモノの伝承」というコンセプトで、職人、手作り、日本製にこだわった「CRAFTSMAN SHIP OF JAPAN for ShoeCareProducts」をスタートしました。

 これは、ただ単純に日本で作っているという意味ではなく、その優れた製法や伝統、モノ作りの背景や歴史などを含め靴用品のJAPANとして掘り下げ、日本の「伝統」「こだわり」「粋」「雅」等を通じて新しい靴文化を創造するプロジェクトです。

サルトレカミエ × ナカダラスト

靴を製造する際に必要不可欠なものが靴製造用の木型=LAST(ラスト)。その靴製造木型の専業老舗メーカーである中田靴木型製作所とR&Dとのコラボレーションで生まれたシューキーパーが「サルトレカミエ×ナカダラスト」である。R&Dシューケアマイスターが求める理想のフォルムを目指して1年以上の月日を費やし試作を重ね完成。カカトのシェイプ、甲部分の高さと張り、土踏まずの持ち上がりなどこだわりは、靴の木型作りを知り尽くした職人の技術とノウハウがなければ、辿り着くことができなかったのは言うまでもない。熟練の職人が様々な番手(種類)のヤスリを使い分け、丁寧に手作業で仕上げるため、生産数は極わずかである。使用している木の材質にも注目して欲しい。シューキーパーに最適といわれている天然の西洋シデ。シデは硬質で変形やひび割れしにくい高級な木材。また、ハイグレードなラインとして希少性が高いより高級な山桜の木も準備している。さらに金具も本真鍮(ブラス)で加工した純日本製で、こちらも金属加工の職人の知恵と技術で金型から起こしオリジナルのものを開発、目に見えない細部にまでも徹底してこだわった。NAKADA LASTはシューキーパーの極みを高めた唯一無二のものと言ってもても過言では無いだろう。

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木製手曲げ靴べら

一見、何の変哲の無いように見える木製の靴べら。しかし、この靴べらには、木を削る、彫るといった工程は一切ない。実は熟練の職人が一枚の木材を独自の技術で、一本一本丁寧に手作業で曲げて作っているのである。驚きはそれだけではない。イメージ的には木に塗装をかけて着色しているように見えるが、それぞれの木が自然に発色する天然の色合いなのだ。仕上げには、亜麻仁油(アマニオイル)を使用。木肌の持つテクスチャーを損なわずにナチュラルな風合いを残す、天然のぬくもりと職人の技術が融合した極上の傑作と自負している。

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吉田三郎 ソリッドブラス13 & ブライドル

本真鍮から放たれる鋭い輝き。一般的なメッキ加工とは比較にならない程の重厚感。「吉田三郎商店」の二代目吉田尚(き)氏が丹精こめて製造する「ソリッドブラスシューホーン」は、カカトにジャストフィットする絶妙なフォルムで、その使用感は通をうらなすほどの品質。これがロングセラーの由縁でもある。持ち手部分は老舗タンナーから買い付けしたレザーの王道「ブライドルレザー」を使用し、真鍮とのハーモニーを奏でている。アイビーをこよなく愛する吉田氏が、そのなごりを今に伝えるアイテムである。

紗乃織靴紐

「たかが靴紐、されど靴紐」紐一本にまで、徹底的にこだわるのが靴好きの粋。紗乃織靴紐(さのはたくつひも)は、長年かけて開発した独自配合の蝋(ロウ)を手作業で丁寧にしみ込ませ、じっくりと時間をかけて乾燥させ、仕上げた秀逸の紐。紐を結んだ時の感触はこの紐だけに与えられた特権なのかもしれない。さらに先端のアンティーク仕上げの金属セルは耐久性だけが目的ではない。靴の雰囲気を変え高級感を演出する役割も担っている。うんちくや説明を聞くよりも、一度使えばその違いがわかること請け合い。靴に足を収めゆったりと蝶結びで結ぶ一連の動作が、この上ない喜びに変わる瞬間を楽しんで欲しい。

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ヒノキドライ

天然の日本三大美林の一つである長野県の木曽檜(ひのき)は、御神木としても知られ、良質で高級木材として長きに渡り日本人の生活の一部になっている。HINOKI DRYは、木工製品を作る際に出る木曽檜の廃材を使用している。環境にも優しく、靴の中や下駄箱などの除湿乾燥剤として評価が高い。さらに除菌効果のみならず防臭にも有効で、天然木のさわやかな香りは安らぎと心地よさを感じさせる。陰干しで湿気を抜けば除湿材として半永久的に使用できるのも嬉しい特典である。

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M. モゥブレィ × 寄木細工

箱根寄木細工は江戸時代後期にその歴史が始まったとされる伝統的な技法で、時代と共に進化してきた。その中で様々な組み合わせで模様を施した寄木を鉋(かんな)で薄くスライスする「ヅク」と呼ばれる技法が生み出された。この優れた技術、技法が評価され、箱根寄木細工は昭和59年に通商産業大臣 より「伝統的工芸品」にも指定された。

この箱根寄木細工の技術で、日本の伝統的な模様である「市松模様」をデザインし、桐箱と融合させた「寄木細工×シューケアボックス」。桐は木材の中でも伸張率・収縮率が少なく、内部は機密性が高いので、温度や湿度の変化を受けにくい。シューケア用品の保管箱として、とても有効である。湿気が多い下駄箱などに保管するのにも適している。その他、小物入れやインテリア等、多用途に使用することも可能。使い道はその人次第、楽しみ方は無限だ。

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つっかけ靴 抜型靴べら / おかめ飾り 抜型靴べら

銅や真鍮の一枚の板を丁寧に伸ばし、オールハンドメイドで作った携帯用の靴べら。ベースとなる技法は「鍛金(たんきん)」と呼ばれ、1枚の平らな板を叩いて形を成型する技術で製造している。鍛金の後は、靴の代表的なデザインであるウイングチップ(おかめ飾り)とローファー(突っ掛け靴)をモチーフにした独自性のあるデザインを、糸ノコを使って手作業で施していく。最後は丁寧にヤスリ掛けして仕上げれば完成。オリジナリティのあるデザインと職人の技術が生み出すその味わいに興じるのも大人の嗜みである。

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紗乃織刷子 Sanohata Brush

靴用ブラシは靴磨きの命と言っても過言ではない。日本には、松竹梅・甲乙兵・上中下など物の等級を表す言葉が多々あるが、ブラシの世界にも最上質な「松」、「甲」、「上」が存在する。Sanohata Brush(さのはたブラシ)は、細部にまで強いこだわりを持ったジャパンクオリティの最上ランクのブラシと自負している。ブラシの最も重要な部分である毛は、目利きのある職人が厳選し、耐久性と弾力性に優れた天然の豚毛、馬毛を採用。そして、持ち手部分は、上質なブナ材をオイルステインという技法で仕上げたクラッシック感が「王道のブラシ」を象徴する。さらに、持ち手部分にカーブをつけることでブラシが抜けやすく、またグリップしやすいように溝を掘り込んでいることで抜群の使用感を実現。持ち手部分の曲線に相反して、毛の植え込みは“直線揃え”の技法を採用している。これはブラッシングの際にブラシの毛先全体が届くようになるので、接触面積が一般的なブラシに比べ格段に広くなるという緻密な職人気質のディテールなのである。


アビィ・シューホーン × 藍染め革

日本古来の染色方法として伝わる「藍染め」は、その美しさからJAPAN BLUEとも呼ばれている。鎌倉時代や戦国時代には、武士たちが藍色を濃く染めた色を“勝色”として縁起の良い色と、もてはやされたと言われている幸運をもたらすアイテム。その藍染めの技法を皮革の染色に活かし、天然皮革に“渋み”と“伝統”を融合した。藍染め革だけがもつ独特の雰囲気で仕上げたケースと本水牛の角のコラボレーションが作り出す調和。革の経年変化で個性的な魅力を引き出すクラッシックなモダンアイテムが生まれた。

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フリップシューホーン × 姫路白なめし革

日本の皮革産業の聖地の一つと言われる兵庫県姫路で伝統的に作られている皮革が“姫路白なめし革”である。白なめし革は、天然由来の油や天日の恵みで仕上げ、環境や人にも優しい素材。中世の武士は戦の勝利を願い神馬(しんめ)と呼ばれる白毛馬の革を献上したとも伝えられているほど革は神聖に扱われてきた。そんな歴史を受け継いだ技法の素材を現代に、そして未来に伝えていくことでこの伝統を継承する。姫路の老舗タンナーである有限会社 大昌では、その卓越した皮革製造の知識と技術で馬皮の白なめし革に、鮮やかな染色を施した。そしてオリジナルで初めて完成させたのが「姫路白なめし 色付き馬革」である。原点である白色以外の豊富なカラーは鮮やかでまぶしいほどの色彩。それぞれの色は光、宇宙、大地、海、空、草原、太陽、果実、花などの物体的なイメージを革で表現したものだ。

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M. モゥブレィ × 淡路瓦

兵庫県の淡路島で製造されている淡路瓦(あわじがわら)は、日本三大瓦の一つで、約400年の歴史がある伝統的地場産業。淡路島のなめ土という微粒子で粘土質の土は、瓦造りに適している。耐久性と美しさで定評のある「淡路いぶし瓦」や「淡路鬼瓦」はその代表的な伝統工芸品。近年では洋風建築や高層マンションなどの増加に伴い、伝統的な瓦屋根の日本家屋は少なくなってきたが、その趣を、淡路瓦という素材を使って「靴ベラスタンド」「ブラシ立て」でプロデュースした。淡路瓦が作り出す「雅」がライフスタイルをより豊かにするだろう。

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