文化服装学院ファッション工芸専門課程「革製品のお手入れ」特別講義レポート

文化服装学院ファッション工芸専門課程の
シューズデザイン科・バッグデザイン科 合わせて30名の学生の皆さまを対象に、
本年度も弊社による「革のお手入れ講義」を実施いたしました。

実は本講義10年以上続く恒例行事。
弊社社員の中にも同学院出身者が在籍しており、
母校に知識と経験を還元できる貴重な機会となっています。

【座学パート:レザーを“知る”】

<講義内容>

1.皮革の種類
スムース、スエード、コードバン、エキゾチックレザーなどの起源と製造工程

2.皮革の特徴
通気性・吸湿性・経年変化のメカニズム
エイジング=劣化ではなく“育つ”

3.基本のお手入れ
汚れ落とし→栄養補給→保護の3ステップ

4.ケア用品(お手入れ道具)
クリーナー、クリーム、ブラシ、クロス、シュートリー他

5. 天然皮革とサスティナビリティ  
アップサイクル素材としての歴史、LWG 認証などの最新動向

6. 雨ジミ&カビ対策
雨染みの対処法、梅雨時期の実体験とリンクして理解度を深める

【実技パート:レザーを“育てる”】

講義後半は、各自が持参した 靴・バッグ・革小物 を題材にメンテナンス(お手入れ)の実習。

診断 – レザーのコンディションを目視・触診でチェック

クリーニング – 古いクリームや汚れをオフ

栄養補給 – レザーの種類に応じたクリームを塗布

ブラッシング – ブラシでクリームを繊維の奥へ浸透させツヤを出す

グローブポリッシュ – 艶と保護膜を同時に仕上げ

受講者の声(一部抜粋)

「道具は持っていても“順番”を知らなかった。今日から自信を持ってメンテできます」

「サスティナビリティの観点で天然皮革を再評価できた」

「将来ブランドを立ち上げる際、アフターケアまで設計に組み込みたい」

卒業生の活躍と今後の展望

弊社には文化服装学院出身の職人・デザイナーが在籍し、
プロダクト開発や店舗教育で中心的な役割を担っています。
学生の皆さま「メンテナンスを前提としたものづくり」を実践し、
製品ライフサイクルを伸ばすことで循環型ビジネスを推進中。
来年度以降も 実践型カリキュラム をさらに進化させ、
学生の皆さまと“育てる喜び”を共有してまいります。

おわりに

革を学ぶ未来のクリエイターたちが、自らの手で素材を蘇らせる姿はまさに圧巻でした。
「作り手=育て手」 の意識を持つことは、デザインの可能性を何倍にも広げます。
学生の皆さまの輝く瞳を糧に、弊社も革文化の発展に一層貢献していく所存です。

再会する日を楽しみにしてます。

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